本サイトでは東レ(技術・理系職)の年収・残業時間・勤務地など、気になる情報を提供します。就職・転職希望者に東レについて正しく知っていただき、ミスマッチ無く、優秀な方に東レに就職頂くことが本サイトの目的です。
東レの技術職は主に、研究、技術・開発、生産・品質保証、工務、システムに分けられ、各部署によって残業時間、仕事内容などは異なるため、本情報を参考に留めていただけると幸いです。
目次
- 東レとは
- 勤務地
- 東レの研究体制
- 学歴、大学時代の専攻、新入社員の所属部署の割合
- ジョブローテーション、他部署への異動、アングラ、新規テーマ立案
- 会社内の雰囲気
- 海外勤務、海外部署との連携、海外出張時の通訳有無
- 入社のためにTOEICは必要?学習補助はある?
- 残業時間、サービス残業の有無
- 年収・給料、給与増加の仕方
- 住居補助、福利厚生
- 社内制度
- まとめ
1.東レとは
「素材には、社会を変える力がある」を広告フレーズとする化学素材メーカーです。
繊維事業から始まり、そこで培った技術を基に、現在では樹脂・ケミカル事業、フィルム事業、炭素繊維複合材量事業、電子情報材料事業、医薬・医療事業、水処理・環境事業と総合的な事業展開を行っています。
50年以上研究開発を続けボーイング787などの航空材料に使用された炭素繊維、ヒートテック・ウルトラライトダウン・エアリズムで知られる繊維技術など、研究の超継続、極限追及、が東レの特徴です。
「人こそが最も大切な経営資源」と考え、不景気でもリストラには消極的です。
2.勤務地
国内の本社・事業所(工場+研究所を要する主要研究開発拠点)・工場の立地と全体を100%とした場合の各拠点のおよその配属割合を図にまとめます。

主要な拠点、それぞれの拠点に在籍する研究所は下記の通りです。
- 滋賀事業所(創業の地であり、最多の研究所・従業員数を収容する最大研究拠点)
- エンジニアリング開発センター(機械系の研究拠点)
- フィルム研究所
- 電子情報材料研究所
- 地球環境研究所
- 先端材料研究所
- 東レリサーチセンター(TRC)(分析に関する研究も行う)
- 名古屋事業所(主に樹脂・化学品原料の研究・開発・生産を行う事業所)
- 愛媛工場(主に炭素繊維の研究・開発・生産を行う工場)
- 基礎研究センター
3.東レの研究体制
近年東レはこれまで培ってきた幅広い事業基盤・先端材料の技術を基に、持続可能な低炭素・循環型社会への転換に向けた「グリーンイノベーション(GI)」、医療技術の向上、予防医療の発展、医療従事者の負担軽減を促す「ライフイノベーション(LI)」に注力しています。
世界では資源枯渇問題への対策として、持続可能な開発目標 (SDGs)に向けた取り組みが活発化しており、東レのGI・LI事業注力は将来性を考慮した経営判断と言えます。
東レには新技術・素材を探求するために9つの研究所が存在します。それぞれの研究所は関係する事業本部所属ではなく全て研究本部所属のため、研究所横断的な活動や緊密な連携、技術交流など、融合が生まれやすい体制となっています。また、機械・装置の研究を専門とするエンジニアリング開発センター、分析を専門とする東レリサーチセンター(TRC)との連携も活発で、効率的な研究・技術開発が行えます。

(参考:https://www.toray.co.jp/aboutus/organization.html)
4.学歴、大学時代の専攻、新入社員の所属部署の割合
学歴について技術職では、学部卒5%、修士卒75%、博士卒20%です。
大学時代の専攻分野としては、機械15~20%、電気5~10%、システム5~10%、物理5~10%、生命10%、化学40~45%、化学工学10~15%程度です。
新入社員の所属部署としては、研究20~30%、技術・開発50~60%、品質保証5%、工務10%、システム5%程度です。
→化学メーカーのため、大学時代の専攻は化学関係が約50%と多いですが、医療・医薬に関する研究も行っており生命専攻者も在籍します。また、プラントなども自社で設計しているため機械・電気・システム系の専攻者も多いです。化学だけでなく様々な専門知識を持つ人が在籍していることが特徴です。
5.ジョブローテーション、他部署への異動、アングラ、新規テーマ立案
ジョブローテーションのシステムは無いため、部署異動は少ないと思います(工務、関係会社勤務を経験させる繊維関係部署は東レの中では異動が多い傾向にあります)。
結婚を機に東京本社へ関連事業の技術営業として異動するケースは比較的多くあります。
全く異なる部署への異動、研究所間の異動は基本的にありませんが、各部署が社内公募を出している場合があり、それに応募することで異なる部署へ異動することが出来ます。
他社からの転職者も多く、東レが求める人材(その時注力している研究・開発テーマに関する知識がある人)と転職者がマッチする場合は、さほど学歴に関係なくスムーズに合格になるケースが多いようです。
アングラは推奨されており、新規テーマ立案に向けた発表会などもあります。ただし、担当テーマにプラスしてアングラを進める必要があるため、効率的な業務遂行が必要です。
6.会社内の雰囲気
尖っている人よりは比較的穏やかな人が多く、社内は殺伐というよりは落ち着いた雰囲気です。
基本的に挙手性(自主性)を大事にする雰囲気があり、やりたいと発言した人に仕事が任せられる傾向にあります。テーマを検討するにあたって、決まった考え方・やり方はなく、比較的高い自由度で各テーマに取り組むことができます。
部長・係長の上司の下、複数人で1チームとなってテーマに臨むことが多く、チーム内メンバーとのディスカッション、上司含めた検討会なども定期的に行うことが多いです。そのため、何か困難に直面した際にはチーム内メンバー、上司と相談して解決することが多いです。
数か月で利益が出る短期的なテーマもあれば、5~10年研究・開発を継続する長期的なテーマもあります。そのためやりがいを感じ難い時もありますが、定期的な社内表彰制度があり、まだ利益が出ていなくても成果が認められる傾向にあり、モチベーションを高く保つことが出来ます。
7.海外勤務、海外部署との連携、海外出張時の通訳有無
海外工場立ち上げのための海外勤務、顧客評価・設備購入・展示会参加のための海外出張は、全員が経験するものではありませんが、経験する人も少なくはありません。海外関係部署とのWeb会議などは活発に行われます。
海外出張・海外関係部署とのWeb会議の際には、現地言語を話せる営業、現地関係会社に所属し現地言語を話せる日本人と行動を共にすることが多く、最初のうちは日本語以外に話せなくても問題ありません。しかし、現地言語を話せるに越したことはなく、海外と関わる機会が多い人は自主的に語学(特に英語)勉強するケースが多いです。
8.入社のためにTOEICは必要?学習補助はある?
入社のためにTOEIC 〇〇〇点以上必要、などの必須条件は無いです。
入社後も英語を必要とするか否かは、部署・担当によって異なります。
入社8年目の昇給のために、一般的にTOEIC 650点以上獲得することが好ましいとなっていますが、必ずしも必須ではないようです。
指定の学習教材購入の際の費用補助はありますが、あまり種類が選べないため、基本的には自費にて語学勉強することが多いです。海外赴任となる場合は、事前に英会話教室を受講するための費用を会社が負担してくれる場合もあるようです。
→最初から英語能力は必要無いです。ほとんどの人は必要となった際に学習し始める事で対応できているようです。
9.残業時間、サービス残業の有無
平均20~30時間。最も忙しい時期でも60時間程度以内に抑えるように管理されます。
2015年の株式会社電通での長時間労働による過労死問題を機に、残業分は全て申請するように管理職・労務課による指導が徹底されていると感じます。
→基本的にホワイト企業と思います。
10.年収・給料、給与増加の仕方
入社1年目の基本給(残業を除く)は2019年実績で、学部卒232,600円、修士卒260,220円、博士卒285,980円です。
引用:https://www.toray.co.jp/saiyou/fresh/recruit/flow.html
年収の大幅な上昇は基本的に入社8年目、13年目(管理職)での昇給時にあります。入社8年目までは全員一律で昇格となりますが、13年目での管理職への昇格は全員が叶う訳ではありません。部署によっては入社8年目より裁量労働制(固定残業代)となります。
ボーナスについて、非管理職(入社13年目以内)は約2.8か月分、管理職は成果変動型で100~300万円程度の幅で、この額が年2回支給されます。
入社1~7年目は1年毎に基本給が1~1.5万円向上し平均年収は約500~600万円(残業時間によっては+100万円)、10年目では約700万円、15年目では成果によって1,000万円に到達する人もいます。
→現在は化学素材メーカーですが、もともと薄利多売の繊維メーカーであったこともあり、富士フイルム、旭硝子、住友化学などの売上高同規模の化学メーカーに比べて年収は多少低いです(近年は差を埋めるべく年収増加傾向にあります)。そのため、年収だけを求める場合は上記企業をお勧めします。そうは言っても、東証一部上場企業平均年収に比べて東レの年収は高い水準にあります。仕事のやりがい、研究内容、経営基盤なども考慮して東レに就職する人が多い様です。
11.住居提供、福利厚生
一人暮らし用の住居として、基本的に女性は借り上げ住居、男性は寮にそれぞれ1~2万円で住むことができます。女性の借り上げ住居について物件を自由に選べるか・指定の物件か、男性寮の綺麗さ、などは勤務地によって異なります。最近は寮の建て替え・リフォームによる整備が進んでいるようです。しかし、指定の借り上げ住居・寮から出て、個人で住居を契約した場合の家賃補助はありません。
結婚後は社宅に低金額で住むことが出来ます(ただし古いものも多いです)。勤務地によっては、社宅制度を廃止し、家賃補助の下自由に物件を選べるケースも増えています。
東レスマイルサポートプランという制度があり、家賃・保険費用に対して年間5~10万円程度補助を受けることができます。
→基本的に低金額で住居を借りることが出来ます。ただし、勤務地によっては男子寮、社宅が古いものも多く、それが嫌で個人で住居を契約した場合には家賃補助はありません。今後の建て替え・リフォーム・社宅制度の廃止を期待したい点です。
12.社内制度
フレックス出社(部署による)、子育てのための時短勤務などが認められています。
コロナ流行後は積極的にテレワーク、そのためのシステム(Teams会議、クラウドサーバーによる自宅からの会社資料ダウンロード、スケジュール管理など)を導入しています。
有給は基本的に1年毎に20日間付与されます。そのうち年間75%(15日間)以上利用することが目標として定められているため、比較的取得しやすいと思います。
主に語学習得のために、海外大学・研究機関・海外関係部署に1~2年間留学する制度があります。希望者も少ないため、望めば比較的留学する機会が与えられやすいと思います。
13.まとめ
年収、仕事内容、やりがい、勤務地など全てが希望通りとなる会社はありません。自身のやりたいテーマにありつけるか否かもタイミングによって異なります。
希望がミスマッチした状態で入社しても、将来的に転職してしまい、就職者にも東レにもメリットがありません。
東レは他社化学メーカーに比べると年収が若干低いというデメリットはありますが、人を大事にする会社でありリストラなどは少なく、結婚を機に勤務地の変更が認められやすく、また他社に比べて独創的な研究・開発を行っているというメリットも多数あります。自分の中で重視する項目を定め、その上で東レを選んでいただけると幸いです。