理系学生・社会人の方で、今は英語を必要とする環境にはいないけど、今後理系社会人として仕事をする上でどういう時に英語が必要となるのか、どの程度話せる必要があるのか、気になる方も多いと思います。
そこで、現役理系社会人が、どのような場合にどの程度の英語が必要となるのか、経験に基いて説明します。また、理系社会人に求められる英語能力をTOEIC点数で示すことは難しいですが、理解しやすい様にあえてケース毎に必要とされる目安TOEIC点数を示します。
目次
- ケース別英語が必要となる業務と好ましいTOEIC点数
- まとめ
ケース別英語が必要となる業務と好ましいTOEIC点数
1. 海外関係会社とのミーティング(対象:研究、生産・開発部隊)
(詳細)
会社によっては、日本で研究・生産開発する技術を、海外拠点でも研究・生産開発する場合があります。そうした場合、技術共有や方針すり合わせを行うための技術ミーティングが定期的に開催されます。
(英語の必要性)
- 基本的に海外拠点には日本から異動した日本人が配置されていますが、現地外国人も理解するために英語で資料を作成することが多いです。ただし、Google翻訳などを用いて資料の英語化は事前に準備できるので、それほど英語能力は必要ないです。
- 質疑応答は英語で行うことがあるため、その場合は多少の英語能力を必要としますが、技術的な打合せは営業部隊による商談の場合と異なり、流ちょうなビジネス英語は不要で、技術を伝える事・姿勢が必要なので片言の英語でも伝われば問題ないです。また、その技術特有の専門用語を事前に把握しておけば、相手が何を話しているのか想像しやすくなるため、そこまで難易度は高くないです(英会話の慣れは必要ですが)。もっとも、日本側は日本語で説明して、現地日本人が現地言語に翻訳する場合が多いです。
(必要なTOEIC点数)
600点程度。
基本的に資料を英語化できるだけで大丈夫です。
2. 海外顧客先でのテスト・打合せ(対象:研究、生産・開発部隊)
(詳細)
自社で研究・開発した製品を海外顧客に導入頂くためのテストを現地で実施したり、商談したりすることがあり、出張して対応する場合や、最近はコロナで出張することが出来ないためオンライン会議システムを用いて対応する場合があります。
(英語の必要性)
- このような場合は、営業部隊と理系部隊がともに行動し対応するケースが多く、商談などは営業部隊が行い、技術的なやり取りのみを理系部隊が行うため、特に流ちょうなビジネス英語は不要で、技術を伝える事・姿勢が必要なので片言の英語でも伝われば問題ないです。また、通訳者として現地関係会社の人がサポートしてくれる場合も多いです。
- 現地へ出張し対応する場合は、身振り手振りで伝えることも出来ますし、営業部隊・現地通訳者に通訳してもらえるので特に英語能力は必要ありません。
- オンライン会議システムを用いて対応する場合は、商談とテスト別々に実施するために、理系部隊だけでテスト対応することがあります。また、相手の姿が見えず音声のみでやり取りする事もあるため、現地へ出張する場合よりは英語能力が必要とされます。ただし、繰り返しになりますが、特に流ちょうなビジネス英語は不要で、技術を伝える事・姿勢が必要なので片言の英語でも伝われば問題ないです。技術特有の専門用語を事前に把握しておけば、なお難易度は下がるでしょう。
(必要なTOEIC点数)
- 現地へ出張する場合:600点程度。
営業部隊・現地通訳者も助けてくれるため、特に英語能力は不要です。 - オンライン会議システムで対応する場合:730点程度。
音声のみでやり取りする場合もあるため、ある程度英会話出来る必要があります。これに関してはTOEIC点数よりも英会話の慣れが必要です。
3. 海外企業製装置を自社に導入する際(対象:生産・開発、工務部隊)
(詳細)
自社への導入を検討するために、現地へ出張して装置仕様の確認、商談を行うことがあります。最近はコロナで出張することが出来ないためオンライン会議システムを用いて対応する場合があります。
(英語の必要性)
基本的に「(2) 海外顧客先でのテスト・打合せ」と同様です。
(必要なTOEIC点数)
- 現地へ出張する場合:600点程度。
営業部隊・現地通訳者も助けてくれるため、特に英語能力は不要です。 - オンライン会議システムで対応する場合:730点程度。
音声のみでやり取りする場合もあるため、ある程度英会話出来る必要があります。これに関してはTOEIC点数よりも英会話の慣れが必要です。
4. 海外拠点での生産工程、工場立ち上げ(対象:生産・開発、工務部隊)
(詳細)
海外拠点での生産工程・工場立ち上げの際には、日本から複数の部署からまとまった人数がグループとなって現地へ長期出張し対応します。
(英語の必要性)
現地工事作業員への指示や、現地社員に生産プロセスの作業方法を伝える際に英語が必要ですが、日本からグループとして現地へ行くため英語に長けている人がメンバーにいたり、現地通訳者を雇ったりするため、必ずしも高い英語能力は必要ではありません。
(必要なTOEIC点数)
600点程度。
英語能力よりも度胸やコミュニケーション能力が必要でしょう。
5. 海外拠点への異動(対象:生産・開発、工務部隊)
(詳細)
海外拠点で製品を安定生産できるように、立ち上げ後も少人数の日本人が異動して複数年対応することがあります。
(英語の必要性)
現地社員への指示に英語が必要ですが、この場合は複数年現地で対応することになるので、異動当初は英語能力が低くても、自然と徐々に能力が向上していくでしょう。また、先行して異動している現地日本人も色々サポートしてくれるので、最初から高い英語能力が求められることはありません。
(必要なTOEIC点数)
異動当初は600点程度。
英語能力よりも度胸やコミュニケーション能力が必要でしょう。
異動後は自然と800点を超えていることが多い様です。
まとめ
- 最初から高い英語能力が必要とされることは少なく、まずはTOEIC 600点程度で十分に対応できます。理系社会人の場合は、営業部隊と異なり、流ちょうなビジネス英語は不要で、技術を伝える事・姿勢が必要なので片言の英語でも伝われば問題ないです。高校英語程度の基本的な文法や語彙力で十分で、それよりも度胸や英会話の慣れが必要であり、それらはオンライン英会話等により短期間で習得できます。
- 上記で説明した仕事がいつ発生するかはタイミング次第ですが、英語能力があれば任される仕事の幅が広がり、昇給や将来のキャリアアップに役立つので、やはり英語が出来るに越したことはありません。また、日本人口の減少・テクノロジーの進化により、今後日本だけで完結する事業はより少なくなり、生き残るためにグローバル対応が求められています。なお、外資系会社に勤める場合は、社内に外国人も多く、就活時点で英語能力を求められたり、日常的に英語が必要とされたりするでしょう。
- 英語は一朝一夕では身につかず、継続学習が必要です。今英語を必要とする環境に無い方は、なかなか英語学習の意欲が沸かないと思います。コロナ終息後に海外旅行楽しみたい!、外国人の人とコミュニケーション取ってみたい!、将来海外でも活躍できるようになりたい!、など目標を持つと今から英語勉強に臨めると思います。コロナ流行下などで時間がある時に勉強を進めましょう!
参考記事
TOEICの効率的な勉強方法
高得点取るためにどのように勉強すれば良いの?と悩んでいる人は多くいると思います。私自身もこれまでに何度かTOEIC勉強をしてきましたが、なかなか点数を上げることが出来ませんでした。
試行錯誤した末に行きついた効率的なTOEIC勉強方法を「【TOEIC】社会人向け800点越えるためのおすすめの勉強法と参考書・問題集・本」にまとめました。参考にご覧頂けると幸いです。