化学メーカーへの就職、転職、投資を考えている人にとって、各社の売上高、営業利益、規模、年収などを比較することは重要ですが、多くのWebサイトではデータの扱いが不正確で、正しい情報を得ることが出来ません。
例えば、三菱ケミカルの平均年収を1,166万円と記載しているサイトがありますが、これは正しくは従業員数:僅か166人の出世組しか在籍しない三菱ケミカルホールディングスの年収です。2017年3社合併前(三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨン)の有価証券報告書より、三菱ケミカルの本当の平均年収は700~800万円と推測されます。
そこで本サイトでは、大手化学メーカーについて、重要な項目(売上高、営業利益、成長率、コロナによる業績影響、規模、研究に対する予算、女性の働きやすさ、平均年収、安定性など)を同じ基準で正しく比較し、分かりやすく説明することで、各社の長所短所を解説します!
目次
- 用語説明
- ROE(Return on Equity)
- D/Eレシオ
- 設備投資額
- 研究開発費
- 格付け
- 大手化学メーカー比較ランキング
- 売上高、セグメント別売上高ランキング
- 売上高海外比率、営業利益、成長率、コロナ影響ランキング
- ROE、D/Eレシオ、設備投資額、研究開発費ランキング
- 従業員数、管理職中女性比率、有給取得率、平均年収・年齢・勤務年数ランキング
- 信用度(格付け)、株価時価総額ランキング
用語説明
・ROE(Return on Equity)
「自己資本を用いてどれだけ効率的に稼いだか」という、会社の収益力を示す指標。
ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
当期純利益:1会計期間(基本1年間)の全収益から、全費用・税金等を差し引いた純粋な利益
自己資本:返済する必要がない資産(新株を発行し株主から集めた資金、利益余剰金の積み立て等)
・D/E レシオ(Debt Equity Ratio)
「自己資本に対する有利子負債の比率」であり、会社の財務健全性を示す指標。
D/Eレシオが高い場合、利子を付けないと資金を工面できない状態であり、倒産リスクが高いことを意味する。(M&Aなどで一時的にD/Eレシオが高くなることもある。)
D/Eレシオ = 有利子負債 ÷ 自己資本
有利子負債:利子を付けて返済する借金。利子不要な借金もある。
自己資本:返済する必要がない資産(新株を発行し株主から集めた資金、利益余剰金の積み立て等)
・設備投資額
会社が事業(製品の生産など)に用いる設備に対して行う投資。設備投資額が大きいほど、既存の事業を成長させるために意欲的と言えます。
・研究開発費
新しい製品を生み出す、既製品を大きく改良させるための費用。研究開発費が大きいほど、将来の収益を生み出すために意欲的と言えます。
・格付け
会社の債務支払い能力を評価し、信用力を示す指標。格付けが低いほど債務不履行(借金を決められた条件で支払うことが出来なくなる状態)に陥る可能性が高くなります。格付けは「A/安定的」のように「(信用力)/ (見通し)」の形式で示され、良い評価から並べると下記の通りとなります。
(信用力):AAA > AA+ > AA > AA- > A+ > A > A- > BBB+ > BBB > BBB- …
(見通し):ポジティブ > 安定的 > ネガティブ
金融庁に登録されている日本格付研究所、格付投資情報センターの評価結果を代表値として示します。