【クラレ】年収・業績・財務・時価総額など直近12年間を徹底分析!

Annual Report(統合報告書)、有価証券報告書等から、クラレの直近12年間のデータを分析します。就職・転職・投資の検討に本サイトを活用下さい!

大手化学メーカー各社を比較した結果は「【超正確・各社徹底比較】自分に合う大手化学メーカーが見つかる!」を参照ください!

目次

経営理念

経営理念とは、会社がこの先目指す目標・戦略を全社員に共有させるために簡潔にまとめられたものです。特に役員や部長などの上席はこの経営理念に則って行動することが多いです。

「経営理念って掲げているだけで、あまり意味ないでしょう?」と思う方もいると思います(実際にそういう会社もあると思います)。しかし、会社の方向性を認識するために非常に役立つ説明文であり、あなたがしたい事と会社の経営理念が全く合わない場合は、その会社を選ばない方が良いでしょう。

クラレの経営理念:
私たちは、独創性の高い技術で産業の新領域を開拓し、自然環境と生活環境の向上に寄与します。
ー世のため人のため、他人のやれないことをやるー

素材メーカーとして、将来を見据え新しい産業を支える製品の開発に意欲的な会社と言えるでしょう。挑戦意欲が高い方は特に相性が良い会社です。

セグメント別売上高・海外売上比率・営業利益

  • 売上高の年間平均成長率は5.6%、営業利益の年間平均成長率は8.3%と着実に業績を伸ばしています(※1)。
  • 売上高・海外比率は年々上昇し2020年度には70.8%に到達しており、他社大手化学メーカー平均値(※2):49.5%に比べ高く、日本市場のみに依存しない体質と言えます。
  • 営業利益率は近年9~11%前後で推移しており、他社大手化学メーカー平均値(※2):9.6%と同等の水準です。
  • 営業利益を素材セグメントに大きく頼っていることが懸念事項です。2018年度からの大型設備投資によって素材セグメントの営業利益が減少しており、全体の営業利益を大きく低下させています。

※1 リーマンショック(2009年度)、コロナの影響(2019年度)を除いて算出。
※2 「【超正確・各社徹底比較】自分に合う大手化学メーカーが見つかる!」記載のうちエネルギー・食品業種除く19社の2018年度データ(コロナの影響除くため)。

財務状況:ROE、D/Eレシオ

ROE(Return on Equity)(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
 「自己資本を用いてどれだけ効率的に稼いだか」という、会社の収益力を示す指標。

D/E レシオ(Debt Equity Ratio)= 有利子負債 ÷ 自己資本
 「自己資本に対する有利子負債の比率」。会社の財務健全性を示す指標。
 D/Eレシオが高い場合、利子を付けないと資金を工面できない状態であり、倒産リスクが高い。(M&Aなどで一時的にD/Eレシオが高くなる場合もある)

・当期純利益:1会計期間(基本1年間)の全収益から、全費用・税金等を差し引いた純粋な利益
・有利子負債:利子を付けて返済する借金。有利子負債とは異なり利子不要な借金もある。
・自己資本:返済する必要がない資産(新株を発行し株主から集めた資金、利益余剰金の積み立て等)

  • ROE(収益力)は2017年度は10.2%まで増加しており、他社大手化学メーカー平均値(※2):10.9%に比べ同等の水準でした。しかし、2018年にアメリカ子会社での火災事故に伴う損害賠償として約480億円の支払い、加えてコロナによる影響のため、2020年度は0.5まで悪化していますが、一時的な低下と思われます。
  • D/Eレシオ(財務健全性)は2017年度までは0.1~0.2%で推移しており、他社大手化学メーカー平均値(※2):0.43%に比べ低く、非常に良好な財務状況でした。しかし、上記と同様の理由で、2020年度は0.69まで悪化しておりますが、元々の財務状況が安定していたため、直ちに問題が発生する水準では無いでしょう。

※2 「【超正確・各社徹底比較】自分に合う大手化学メーカーが見つかる!」記載のうちエネルギー・食品業種除く19社の2018年度データ(コロナの影響除くため)。

研究開発費、設備投資額

  • 研究開発費の年間平均増加率は3.3%、設備投資額の年間平均増加率は22.3%と着実に投資を拡大しています(※1)。
  • 研究開発費/売上高比率は4%前後で推移しており、他社大手化学メーカー平均値(※2):3.2%に比べて同等で、新しい製品を生み出す意欲は平均的です。
  • 設備投資額/売上高比率は10%前後で推移しており、他社大手化学メーカー平均値(※2):7.4%に比べて高い水準で、既存事業を成長させる事に意欲的です。

※1 リーマンショック(2009年度)、コロナの影響(2019年度)を除いて算出。
※2 「【超正確・各社徹底比較】自分に合う大手化学メーカーが見つかる!」記載のうちエネルギー・食品業種除く19社の2018年度データ(コロナの影響除くため)。

従業員数、管理職の女性比率

  • 連結従業員数の年間平均増加率は6.2%と着実に規模を拡大しています。
  • 管理職の女性比率は近年8%前後に到達しており、他社大手化学メーカー平均値(※3):5.9%に比べ高い水準です。ただし、化学業界自体が依然低い水準です。

※3 「【超正確・各社徹底比較】自分に合う大手化学メーカーが見つかる!」記載のうちデータ開示ある14社の2019年度データ。

平均年収・年齢・勤続年数・有給取得率

  • 平均年収は年間平均+1.0万円の微増傾向(※4)、2019年度には692万円となっており、他社大手化学メーカー平均値(※5):807万円に比べ低い水準です。
  • 平均勤続年数は年間僅かに減少傾向、2019年度には17.7年となっており、他社大手化学メーカー平均値(※5):16.9年に比べやや長い水準です。
  • 有給取得率は2019年度には88.0%に到達しており、他社大手化学メーカー平均値(※6):78.1%に比べやや高い水準です。

※4 リーマンショック(2009年度)を除いて算出。
※5 「【超正確・各社徹底比較】自分に合う大手化学メーカーが見つかる!」記載のうちデータ開示ある19社の2019年度データ。
※6 「【超正確・各社徹底比較】自分に合う大手化学メーカーが見つかる!」記載のうちデータ開示ある14社の2018年度データ(コロナの影響除くため)。

格付け(信用度)、時価総額

  • 格付け投資情報センターによる格付け(信用度)は、売上高・営業利益の増加により2016年度はA+/ポジティブに格上げされましたが、2018年のアメリカ子会社での火災事故に伴う多額な損害賠償支払いにより財務状況が悪化し、2018年度以降はA+/安定的に格下げされています。他社大手化学メーカー平均値(※7):AA-/ネガティブに比べてやや低いですが、特に問題無い水準でしょう。
  • 時価総額は12年間5,000億円前後の平行状態で推移しており、他社大手化学メーカー平均値(※8):16,287億円に比べ低い水準です。

※7 「【超正確・各社徹底比較】自分に合う大手化学メーカーが見つかる!」記載のうちデータ開示ある17社の2020年3月末時データ。
※8 「【超正確・各社徹底比較】自分に合う大手化学メーカーが見つかる!」記載のうちデータ開示ある22社の2020年3月末時データ。

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